SIPC(Scanner ICC Profile Creatorの略)
ホームページ(英語)
http://www.nla.gov.au/preserve/dohm/sipc.html
日本語に訳してみました。
どなたか誤訳を指摘していただければ幸いです。
簡単な説明
1 色の実測データが付いたカラーチャート(二千円前後)を購入します。このカラーチャートは、「IT8ターゲット」という、国際標準規格に準拠した物です。
2 IT8ターゲットをスキャンします。
3 SIPCが、IT8ターゲットをスキャンして得た画像データとIT8ターゲット付属の実測データとを比較し、スキャナーの特徴を表したICCカラープロファイルを作成します。
参考資料
http://www1.axfc.net/uploader/N/so/85959.zip&key=jisui
同内容(ミラー)http://jisuitec002.hwhost.com/SIPC/
エプソン製スキャナーGT-F520でスキャン(カラー設定「色補正なし」、300dpi、48ビットカラー)したIT8ターゲット画像(gtf520_20091021.tif)
IT8ターゲット付属CDの中身
GT-F520純正カラープロファイル(GTF520_r.icm)
SIPCによるカラープロファイル(GT-F520_20091021.icm)
SIPCをインストールし、上記参考資料のIT8ターゲット画像と付属CDの中身を使えば、SIPCによるカラープロファイル作成を体験できます。
SIPCのv1.68は、Windows 7 Ultimate 64ビット版で動作しました。
しかし、v1.5については、2台のパソコン(Windows 7 Ultimate 64ビット版とWindows XP Professional 32ビット版)にインストールして試してみたところ、いずれも起動はしますが、「Create Profile」ボタンをクリックしたときにエラーメッセージが出て、動作しませんでした。
ホームページで旧ヴァージョンとして紹介されているv1.3は、動作しました。
旧ヴァージョンv1.3から最新ヴァージョンまで、v1.4以降の数字が飛んでいます。
どうも、最新ヴァージョンは人柱ヴァージョンで、v1.3が安定ヴァージョンということのようです。
上記の「SIPCによるカラープロファイル(GT-F520_20091021.icm)」は、SIPCのv1.3を使って、Select Reference File「R090703.txt」、アルゴリズム「Lab clut」、プロファイル品質「Ultra High」という設定で作成してみました。
ホームページの説明によると、「Ultra High」は無駄らしいのですが。
作成時間約1分でした。
SIPC画面右側(Creating Profile)の「4.Profile Information」の「Profile Description」欄についてですが、この欄に入力したことがスキャナドライバの入力プロファイル(ソースプロファイル)のプルダウンメニューやPhotoshopの「編集/プロファイルの指定」のプルダウンメニューにおいて、そのまま表示されます。「EPSON GT-F520 - reflective(20091021)」のように、メーカー名、機種名、原稿の種類、作成日を入れると分かりやすくてよいと思います。Profile Informationの他の欄は、適当でよさそうです。
PhotoshopでIT8ターゲット画像を開き、「カラープロファイルの指定」で純正カラープロファイルを指定して、下段のグレースケール部分を見ると、やや青緑寄り。
今回作成したプロファイルを指定して見ると、グレースケール部分がかなりグレーに見えます。
自分としては、これは使えるという印象です。
なお、正確に言うと、IT8ターゲット下段のグレースケール部分には若干色が付いています。
実測データを収めたテキストファイルを開いてみます。
GS0からGS22までがグレースケール部分の実測データです。
完全なグレーならばLAB_A及びLAB_Bの数値がいずれも0.00であるはずですが、どれも多少0.00からズレています。
正確な検証を行おうとするならば、見た目で判断せず、作成したプロファイルを指定した場合のLab値とIT8ターゲット付属の実測データとがどの程度一致しているのかを調べなければなりません。
興味のある人は、カラープロファイルの中身を↓などで見てください。
ICC Profile Inspector
http://www.color.org/profileinspector.xalter
GT-F520_20091021.icmを開き、6 A2B0をダブルクリック、Input Channelsを見ると、カーブがぐにゃぐにゃ曲がっています。
目視で似たカーブを作るのは極めて困難でしょう。
IT8ターゲットは、SIPCのホームページで紹介されているWolf Faustから購入しました。
Wolf Faustのホームページ
http://www.targets.coloraid.de/
Use with(用途)がreflective (flatbed) scanner(反射原稿用フラットベッドスキャナ)であるIT8ターゲット(R1又はRF)を購入します。
R1はコダック製の紙にプリントされていて、RFは富士フイルム製の紙にプリントされています。
経年変化の少ない紙、プリントの発色ムラが少ない紙が良いのですが、どちらの紙が良いのかは不明です。
価格は、いずれも10ドル(購入数量が1-4 Targetsの場合)です。
送料は、10ドル(数量が1-2 Targetsの場合)です。Shipping Costs(送料)のWorldwide / Outside EU(EU外の世界中どこでも)に記載されています。
ターゲット価格と送料を足して、支払総額は20ドル(=二千円ぐらい)です。
代金の支払いは、クレジットカードがあれば、PayPalを利用するのが最も簡単で手数料もかかりません。
PayPalのホームページ
http://www.paypal.jp/jp
PayPalの送金先はwfaust@wfaust.deです。Payment Methods(支払方法)のPayPalの行に記載されています。
送金時、PayPalの通信欄に送付先を書かなかったら、Wolf Faustからメールで問い合わせがあり、余計な時間がかかりました。
10月10日に問い合わせ、10月11日(約24時間後)に返事が来て、すぐに発注及び送金(PayPal)、10月20日到着でした。
参考になるかどうか分かりませんが、IT8ターゲット購入のための問い合わせに使ったメール文及びその返事です。
https://jisui-technique.angelfire.com/SIPC/mail.html
エックスライト社製のICCカラープロファイル作成ソフト、EZcolor(イージーカラー)のページです。
http://www.xrite.com/product_overview.aspx?ID=592
SIPCと共通する点が多くありますので、参考になります。
ライブラリの「使用説明書および仕様書」12〜15ページ、その他の資料やFAQなどを読んでみてください。
IT8ターゲットがどんな物なのかは、富士フイルムのColor Targets II 技術解説書(http://fujifilm.jp/business/printing/colorwf/scannercamera/pdf/ff_printing_colortargets01.pdf)を読んでみてください。